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クロウジングへ向けて

人生のクロウジングに向けて

思い残すことなく、自分らしく人生を締めくくるため、また、遺族が後始末に苦労しないためにも最期のときの 段取りを 組んでおけば、多少なりとも安心してそのときを迎えることができるのではないでしょうか。遺言作成以外で考えられることを挙げてみます

  1. 葬儀の準備
       通常、本人名義の口座は遺産分割協議が整うまで凍結されるため、当面の葬儀代としてあらかじめ他名義口座に ストックしておいたり、生命保険に加入しておく。葬儀の仕方と代金について生前契約をしておけばすっきりするが、代金は支払わず 、親族にもその旨伝えておく。尚、葬儀代を相続人が支払った場合は相続税の計算上、遺産額から控除できる。ただし、香典返し や初七日法要の費用は控除できない
  2. お墓の準備
       生前に墓碑を立てると長生きするとも言われるが、公営墓地では遺骨が無いと認められないケースも多い。 寺院墓地や民営霊園など可能な場合は検討の対象となる。尚、墓地・墓石や仏壇は相続税の課税対象とならない
  3. 身辺整理
       自分に不要なものだけでなく、遺族が処分に困ったり、気を使うようなものはあらかじめ処分する
  4. 訃報リスト作成
       遺族が知らないであろう関係者リストはもちろん、親族も含め、誰にどのタイミングで知らせるか明示する
  5. 遺影撮影
       飾る予定があれば、あらかじめ自分のイメージで撮影しておくと安心できる
  6. 手続き先リスト作成
       銀行・保険会社・証券会社・その他取引金融機関・加入団体・定期購読紙・ネットプロヴァイダなど 家族が知らないであろう連絡先と、料金振替口座や契約の内容、更に変更や解約の手続き方法について記す
  7. 準確定申告の準備
       遺族は死を知った日から4ヶ月以内に、年初から死亡日までの故人の所得について所得税の確定申告を しなければならない。日常の記帳から遺族がわかりやすいような形態をとっておけば、多少なりとも遺族の手間が軽減 される
  8. 尊厳死宣言書(リヴィングウィル)の作成
       治る見込みが無いのに、むやみに延命措置を続けることを拒否する意思を 書面で残しておくことで、無用な苦痛を受けずにすみ、親族の負担も軽減される。医療機関においても、その意思は 尊重される傾向にある。2通作成の上、1通は自らが保管し、もう1通は親族に託す
  9. ドナーカードの提出
       自らの遺体に拘りを持たず、最期に臓器提供という形で社会貢献したい場合は、ドナーカードにより その意思を明示しておく。実際の提供では家族の了解も必要になるため、家族の認知も得ておく。ただ高齢の場合は臓器の機能 低下により貢献できない場合もある
  10. 献体の申込み
       医学・歯学の大学における教育・研究に貢献すべく遺体を提供するものだが、親族の同意も必要となるので、 希望する場合は、あらかじめ理解を得ておく必要がある。この場合、大学が遺体の引取り、火葬、棺及び骨壷の用意まで無料で 行ってくれる
  11. 任意後見契約の締結
       認知症等により判断力が落ちる前に、そのときに備えて自ら後見人を決め、契約を交わしておくもの。 相続人の場合、利害が相反する場合も発生するため人選には注意が必要

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コラム/尊厳死宣言書 コラム/任意後見制度

葬儀について考える

葬儀費用の全国平均は230万円とのことですが、地域により大きく異なる上、個別の差も甚だしいのであまり意味の ある数値とは言えません。しかし、諸外国の平均値である数十万円と比較すると、わが国の高額負担の傾向がわかります。にわか仏教徒と 言われようが、その方が安らかに逝けそうだと思うのであれば、一般慣習に従った葬儀を執り行うのもよいでしょう。しかし、本人も望まず、 遺族も世間体のために無理な負担をしているということなら、一考の余地があるのではないでしょうか。これからは、 どのような葬儀にしたいのか、自らの意思をしっかり持ち、それを反映させてもよいのではないでしょうか

葬儀には(1)遺体の処理、(2)死の社会的告知、(3)哀悼と訣別の儀式、という意味があります。 一般的な葬儀を行わなわない場合でも、遺体の処理と役所への届出は行わなければなりませんし、社会的にも告知しなければ 混乱を来たします。問題になるのは(3)で、この趣旨に沿うものならば一般慣習に従った葬儀以外にも「偲ぶ会」や「お別れ会」と称し、宗教や形式に とらわれない、個性的で経済合理性のある催しを設定できます。また、近年は身近な親族だけで行う家族葬も増えています

ただし、ひとつ気に留めておかなければならないのは、自らの希望とは別に、遺族の社会的な立場や想いもあるので、 その調整をしておかないと遺族の思わぬ負担となってしまうことです。死亡通知を出状するのみとする場合や、供物・香典を辞退する場合 などでは、周囲が納得しなければ遺族がその対応に苦労します

葬儀業には許認可制度がなく、悪質な業者もあるので注意が必要です。病院専属の葬儀社の場合、先方の言いなり・ 言い値になりがちなので注意が必要です。また、互助会という名でも営利企業なので、その視点で検証することが大切です。農協や生協、 あるいは自治体が取り扱っている場合もあり、こちらは一般的に内容が明確で価格もリーズナブルです。いずれにしても数多く調査・比較して 自ら選択し、更に生前契約までしておけば自分も安心ですし、遺族の煩雑さも軽減されます

<生前契約の注意事項>

  1. すべての事項につき、口頭ではなく書面で契約しておく
  2. 費用の生前一括払いは極力避け、支払ったものがある場合は、解約した場合や葬儀に使用しなかった場合、また、葬儀の内容に 変更が生じた場合などの取扱いについて、詳細に確認した上で契約する
  3. 契約の見直しに関する規定があるか、また、契約変更の方法と負担の有無について確認する
  4. 前払い金の保全方法と業者の信用状況について確認する
  5. 葬儀を執行すべき親族に対しても契約の内容を十分周知させておく

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お墓について考える

現在、わが国では遺体のほぼ100%が火葬されていますが、遺骨の扱いについては多様化が進んでいます。埋葬 は(1)既存の家墓に入る、(2)新たに家墓を建立して入る、(3)永代供養や合祀を依頼する、などのケースに分かれます。形式としても 一般的な 墓石によるもののほか、樹木葬、芝生型墓地、公園型墓地など選択肢が増えています。永代供養でも記念碑タイプ、納骨堂タイプ、 墓石タイプなどの種類があります。また、核家族化を反映し、夫婦のみ一代限りで永代供養を受ける夫婦墓などもあります

埋葬以外では散骨や手元供養があります。墓地以外に遺体や遺骨を埋葬してはならない旨の法律はありますが、 散骨については明確な法規制がなく、海に散骨をする海洋葬を取扱う業者もあります。また、遺骨は必ず埋葬あるいは散骨しなければ ならないというものではなく、手元に置いて供養しても構いません。散骨したときにも、遺族がお参りするためのシンボルを希望する 場合は、分骨をして手元で供養するケースが多いようです

手元で供養する場合にも卓上型と携行型があります。卓上型には遺骨を納めた石製の卓上墓やアート骨壷、さらに 遺骨を混入・封入した置物やプレートなどが、また、携行型には同様に細工したペンダント、ネックレス、ブレスレット やリングなどがあります

墓地の永代使用料や管理料、さらに墓石代を合わせると高額になり、また、比較的リーズナブルな公営墓地は 高倍率の抽選だったりと、新たにお墓を設置するのも大変です。尚、健康保険からは5万円の埋葬料を受給できます

人は死生観などにより、葬儀同様、お墓についてもそれぞれ思うところがあるはずです。 遺族にも配慮しながら、自分らしい最期を演出したいものです。お墓や埋葬、散骨についても生前の建立や契約が出来れば、自分も安心 でき、遺族の負担も減ります。それが叶わない場合は、遺族にその意思を 託すことになります。葬儀やお墓についての遺言は法的効力を持ちませんが、通常は最期の遺志として尊重されるはずです。 遺言とは別にエンディングノートに記し、遺す方法もあります

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コラム/エンディングノート