ファイナンシャルプランナー・オフィス

G-Life Assist

ホームへ

その他の年金

私的年金の概要

公的年金に対するものとして、金融機関等で扱っている私的年金があります。また、制度運営に 公的機関が係ったり、税制において公的年金と同様の優遇措置があるなど、公私の中間的位置付けにあるものもあります。これらはまた、 企業が制度の導入を決め、勤務する適用従業員が自動加入となる企業年金と、個人が任意で加入する 個人年金に分類されます。 企業年金には厚生年金基金・適格退職年金・確定給付企業年金・企業型確定拠出年金・中小企業退職金共済制度などがあり、 これもライフプラン策定時には見逃してはならない制度ですが、ここでは個人が任意で加入できる年金について見て行くこととします

個人が任意で加入する年金には「貯蓄型」と「保険型」があります。貯蓄型は拠出した掛け金にその運用益を加算 した額の範囲内で、年金や死亡一時金を受け取りますが、保険型の受給額」は必ずしも掛け金累計に連動しません。貯蓄型は掛け金と運用益を 資産として確保できますが、それを超えて受け取ることは出来ません。保険型は死亡時期により、掛け金相当額を受給できない場合もありますが 、大きく上回る可能性もあります

年金を検討する以上、その理由・目的があるはずですので、それをあらためて明確にした上で適合する年金を選び ましょう
<主な目的>

  1. 老後の生活の糧として公的年金を補足する(老齢年金に該当)
  2. 退職後、公的年金受給までのつなぎとする
  3. 自らの死後も遺族の生活の糧を確保する(遺族年金に該当)
  4. 要介護となったときへの備えとする(障害年金に該当)
  5. より豊かな老後のための蓄財

 a の目的のためには、長生きリスクに対応できる終身年金 が安心です
 b については年限があるため確定年金や有期年金がマッチします。自らの生活資金のみが 目的であれば有期年金の方が割安ですが、遺族に遺す必要があれば確定年金ということになります(下記「一般の個人年金」参照)
 c については通常、死亡保険(年金払いとする収入保障保険を含む)で手当することが多いと 思われますが、全労済の「ねんきん共済」では家族年金特約(万が一の場合に予定年金額の倍額を10年間、遺族に支払う)も付帯できる。 尚、想定する遺族が配偶者の場合には、 長生きリスクに対応できる夫婦連生年金(下記「一般の個人年金」参照)が合理的と言えます
 d については、かんぽ生命に「介護割増年金付き終身年金保険」が、全労済に「重度障害年金」 特約がありますが、通常は介護保険でも対応できます
 e については貯蓄型がメインとなりますが、これにも契約時に基本的な年金原資が確定している定額 年金と、運用成果により年金額が変動する変額年金があります(下記「一般の個人年金」参照)。変額年金では、一見魅力的に見える システムの中に大きなリスクが内在していたり、コストが高いために資産運用として成果があまり期待できないケースなどもあるので 注意が必要です。また、保険料一時払い商品もありますが、加入に際しては、分割払い以上にデフォルトリスクに留意すべきでしょう

ページトップへ

公的要素のある年金

公の補助やメリット提供のある制度は優先的に検討すべきでしょう

a:対象者
b:加入窓口
概要・税制
国民年金基金
  1. 国民年金保険料を納付している第1号被保険者
  2. 地域型:各県の厚生年金基金事務局
業界で設立している職能型と都道府県ごとに設立している地域型がある。一度加入すると対象者でなくなった場合以外は 脱退できない。終身年金2種類、確定年金5種類の中から選択し口数加入するが、終身が半分以上を占めなければならない。 老齢年金と遺族一時金がある。遺族一時金の額は以降に受給すべき年金原資が基本となるが、掛け金累計を下回ることもある。 掛け金上限は月額68,000円
<税制>
掛け金      :全額 社会保険料控除
老齢年金   :公的年金等控除
遺族一時金:非課税
小規模企業共済
  1. 常時使用従業員20名以下(商業・サービス業は5名以下)の 個人事業主及び会社役員
  2. 商工会議所・金融機関など
給付事由:事業の廃止、傷病・死亡による退職、15年以上拠出者の65歳到達
掛金      :1,000円〜7万円の範囲内で500円刻み(納付が困難な場合は中断も可能)
給付期間:10年または15年、一定要件を満たせば一時払いもあり
<税制>
掛け金:全額小規模企業共済等掛金控除
年金   :公的年金等控除  一時払は退職所得扱い
個人型確定拠出年金
  1. 国民年金保険料を納付している第1号被保険者 と企業年金非加入の第2号被保険者のみであったが、2017年1月より対象者が拡大された(TOPICS参照)
  2. 金融機関
複数の運用コースから自らが選択し(期中においてもコース変更可)年金額はその運用結果次第となる。 蓄積された個人ごとの資産は転退職しても、転職先企業や国民年金基金連合会に移管され継続できる。逆に60歳に達するまでは引き出せない。 累計預入れ期間10年以上で 60歳から老齢年金を受給できる。10年に満たない場合、掛けた期間に応じ順次受給開始が遅れる(最大65歳まで)。 さらに障害給付金や死亡一時金もある。尚、運用委託や口座管理に係る事務コストは加入者負担となっている
<税制>
掛け金       :全額小規模企業共済等掛金控除
老齢年金   :公的年金等控除  一時払は退職所得扱い
障害給付金:非課税
死亡一時金:みなし相続財産となり相続税の課税対象となる
財形年金
  1. 制度を設定している企業に勤務する55歳未満の労働者及び公務員
  2. 勤務先企業
給与天引きの積立貯蓄で550万円まで(保険型の場合は保険料累計385万円まで)は積立中・受給中とも 利子に課税 されない。途中の掛け止めも可能だが55歳までは積み立てなければならない。規定以外で引き出す場合、 その時点で利子課税が発生する。 60歳以降に5年以上の期間で受け取る(5年以内の据え置き可)。また、加入者は有利な教育ローンや住宅ローンを利用できる

ページトップへ

一般の個人年金

各金融機関や共済で取り扱っているが、生死と受給の関係から次のように分類される

終身年金生存している限り受給を継続できる
夫婦連生年金夫婦のどちらかが生きている限り受給できる
確定年金生死にかかわず定められた期間、受給できる(死亡の場合は遺族が受給)
有期年金定められた期間中で生存している場合のみ受給できる

尚、終身保険と有期年金では、受給開始後早期に死亡した場合は、結果論とは言え、掛け金の多くが無駄だったことに なるため、保証期間を設け、その間の分は生死に係らず受給できることとした商品もあります(夫婦連生年金にも保証期間を設定している 商品があり、この場合その他の遺族が受け取ります)。ただ、当然ながらその分保険料がアップ するので、本当にその必要があるのか検討すべきでしょう。同様に死亡保障など「保障」が付帯されると、それだけ保険料が上がる、 すなわち、同じ保険料で見れば年金額が減ることになるので十分検討する必要があります

さらに、受給する年金額によって次のように分類されます

定額型 年金原資が契約時に確定しており、基本年金額が一定のもの。想定以上の運用益が生じた場合は増額される
利率変動型 年金原資算出の根拠となる金利を一定期間ごとに見直すため、金利変動が直接、年金額に影響を与える
逓増型 契約時に年金原資が確定しているが、徐々に給付額がアップするように配分する
変額年金 リスク資産への投資も行うため、運用成果次第で年金原資が増減する。利殖性もあるが元本割れのリスクもある。 近年はリスクを抑え、受給開始時における元本や一定の年金原資を確保する商品も増えている。投資信託と同様の販売手数料や 運用関係費用のほか、保険関係費や年金管理費などのコストが発生する

生保と共済の年金商品で下記の条件を充たすと、所得税及び住民税において、個人年金保険料控除の対象 となります。尚、変額年金は一般生命保険料扱いとなります

  1. 掛け金払込期間が10年以上
  2. 確定年金や有期年金の場合は、年金の受取開始が60歳以降で、受取期間が10年以上
  3. 被保険者が契約者本人か配偶者
  4. 被保険者と年金受取人が同じ

ページトップへ