リバースモーゲージとは土地を担保に融資を受け、死亡時などにその土地(売却)をもって返済することを可能とした制度です。 元利とも一括で返済するパターンや、利息のみを払い続けるパターンなどがあります。借り入れは 一時金受領のほか、年金的に受領する方法、限度額内で随時借り入れできるものなどがあります。固定資産を資金化して有効に使いたい というニーズに応える制度ですが、遺産として遺すにしても「土地より現金の方が分割しやすい」という利点を活かせる面も着目に値します
ただ、取扱機関は増えてきているとは言えいまだ少なく、三大メガバンクと 東京スター銀行、三井住友信託銀行、一部地銀、及び大手ハウスメーカーや社会福祉協議会(長期生活支援資金貸付制度)と一部の地方自治体です。 また、住宅金融支援機構では耐震化やバリアフリー化などのリフォーム目的に限定して、同様の仕組のローンを取り扱っています。 三井住友信託銀行では対象地域も限定される上、担保となる土地の評価額が8000万円以上などの条件があります(宮城県は対象外)。 東京スター銀行は対象が支店所在地近辺に限定されますが(仙台市内及び近郊は可)、使途に制限なく55歳から利用でき、土地担保評価額に応じた借入れ極度額内(500万円以上で設定)で何度でも引き出せます
金利・各種事務手数料・担保管理料などのコストの問題がありますが、不動産を資金化できる有効な手段です。 尚、社会福祉協議会や自治体で設定しているものは高齢の低所得者を対象とした社会福祉制度の一環であり、 ハウスメーカーのものは顧客サービス・囲い込みを目的としています
融資する側にも債務者の長生きリスクへの対応や担保物件の評価額監視などの手間があり、銀行での取扱いは主に都市部富裕層を対象とした商品となっているようです。 超高齢化に向かう今、知恵を絞り、一般の人が利用しやすい制度を政策的に設定してほしいものです