2010/07/01
7月17日施行される題記改正法の最大のポイントは、脳死となった本人の意思が不明でも家族が承諾すれば臓器移植ができるようになったことだ。 海外での臓器移植が臓器売買の懸念等から縮小方向にある中、臓器提供を待つ患者には朗報といえるが、実際の運用には課題も多い
ひとつには病院側の対応体制の問題。時間がない中で脳死の正確な判断をし、家族に丁寧な説明をした上で誘導せぬように決断を待ち、受け入れ側の 病院と綿密な打ち合わせをして搬送するなど、素人が考えても大変なことはわかる
もうひとつは家族に求められる決断の負担である。それでなくても家族の死に直面し尋常でない精神状態で、更にその家族の臓器の処し方を決めるなど、 大変な辛苦であることは想像するまでもない。親族も複数いれば意見がまとまらないこともあるだろう。まして、心臓が動いている脳死状態での提供 となれば躊躇するのが普通ではないか
病院側の体制の問題は我々ではどうすることもできないが、家族の負担を少しでも軽減するためには、臓器提供に対する自らの意思を明確に家族に 伝え、その証を残しておくことだ。臓器提供に対する意思表示欄を設けた運転免許証や健康保険証が今後発行されるようだが、今でもコンビニに行けば 意思表示カードが簡単に入手できる。拒否する場合も含め意思を明確にしておきたい