ついに、定期金の評価が見直される

2010/01/06

昨年12月に閣議決定された2010年度税制改正大綱で、定期金の評価方法が見直されることとなった。「定期金の評価」とは 定期的に金銭を受け取れる権利を相続したり贈与したりした場合のその評価額を指すが、現行の評価方法は1950年当時の金利水準・平均寿命 を基にしており、今となっては妥当な評価額と比較し著しく低く算出される。この乖離が相続税対策や課税を抑えた資産の移行に利用されてきたが 、適正化によりその目的が達成できなくなった。今後は原則として贈与あるいは相続時点での解約返戻金相当額が評価額となる

今後、合法的に税負担を避けながら相続対策や資産の移行を行うためには、ますます長期的な対策や工夫が必要となる。 毎年少しずつ贈与したり、評価額の上昇が見込まれる資産や、更なる資産を生み出す資産を早めに贈与したり、あるいは他の優遇制度を 活用したりすることとなる

逆に2010年度税制改正大綱では時限的ではあるが贈与税の特別非課税措置も拡大している。20歳以上の者が直系尊属から住宅取得等資金の 贈与を受けた場合、2010年中は1,500万円まで、2011年は1,000万円までが非課税となる。当非課税枠を利用した後は、暦年課税の基礎控除 110万円を適用しても、相続時精算課税制度を利用してもかまわない。ただし、相続時精算課税制度の住宅取得資金控除枠の1,000万円は廃止された 。本則の2,500万円の枠内での利用となるが、住宅取得資金の場合は2011年まで贈与者の年齢制限を受けない

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         <参考:現行の定期金評価例>
たとえば子が30年間にわたり毎年110万円ずつ受け取れるようにと、一時払い型確定年金に親が加入し保険料3,000万円を支払った場合、 受給開始時点で年金受給権が贈与されたとみなされるが、その評価額は
      110万円×30年×30%=990万円      となる