雇用保険改正のポイント

2014/03/29

1.就業促進定着手当の新設

雇用保険の再就職手当を受給した場合で、新就職先の給与が失業前の職場の給与よりも下がったときに、その差額(6か月分が限度)を受給できることとなった(4月1日施行)

再就職手当とは、失業して雇用保険の基本手当を受給している人が所定給付日数を3分の1以上残して就職した場合に給付される制度だ。 3分の1以上残っている場合は、その後受給を予定していた基本手当総額の50%、3分の2以上残っている場合は60%が給付される

就業促進定着手当は新職場に6ヶ月以上在籍することを条件に、就職時点で残っていた基本手当総額の40%を限度に支給されるので、満額給付されるなら、基本手当を3分の2以上残して就職しても 基本手当の所定満額を受給できることになる。とは言え、給与の低さはその後も長く続くのだから喜んではいられない

2.教育訓練給付の拡充

10万円を限度に訓練費用の20%を受給できるという従来からの一般給付に加え、中長期的なキャリア形成に寄与すると認められる教育訓練に対して40%を、 さらにそれが就職に結びついた場合には20%を追加で給付するという専門実践教育訓練給付制度がスタートする(10月1日施行)

給付額の上限は年間32万円(20%追加給付を受けられる場合は48万円)で、対象訓練期間は原則2年が限度だ。ただし、資格取得につながるものは3年まで延長できる。 ということは最大で144万円まで受給の可能性がある。ただ、受給額が大きくなる場合は、当然ながら訓練費そのものが高額だということで、自己負担も重くなるのは言うまでもない

当制度を利用できるのは、初めての利用の場合は雇用保険被保険者期間が2年以上ある者、2回目からは前回受給後10年間の被保険者期間が必要となる。尚、給付対象講座は厚労大臣の指定を受けたものに限る

教育訓練支援給付金の創設:45歳未満の離職者がこの専門実践教育訓練を受ける場合は、訓練日に対し基本手当の半額が給付される(日中の通学により基本手当てを受けられなくなるのをカバー)

3.育児休業給付金のアップ

これまで休業開始前賃金の50%だった当給付金が、開始後180日間に限り67%に引き上げられた(4月1日施行)。尚、産後8週間は産休の対象であり、その後育休がスタートする。 育児休業給付は原則として子が1歳になるまで対象となるので180日経過後は、従来通りの50%が給付される

尚、休業開始前賃金は計算上426,900円を上限、69,300円を下限とする。また、休業期間中、給与の支給がある場合は給与と当給付の合計が休業開始前賃金の80%となるよう、 当給付が減額される

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教育訓練給付については自己ブラッシュアップに積極的に利用したいものです。また、育児についてはこのほかにも、短時間勤務制度や残業免除の企業への義務付けや子の看護休暇の拡充など、 少しずつではありますが改善されつつあります