FXのレバレッジ規制がスタート

2010/08/01

史上最低最長の低金利下で急成長してきたFXだが、安易な利用による個人資産への過大なダメージ、競争激化と監視の甘さから発生した 業者の破綻などが問題視されてきた。そこで一定の歯止めをかけるためにレバレッジに制限を設けることになり、本年8月1日からは50倍、 来年8月1日からは25倍を上限とすることが定められた

FXは手軽に始められる投機商品であるがゆえに、十分な知識や自己管理の心構えもなしにスタートして多大な損害を被る危険性がある。 あまりにも多くの要因、ときには恣意的な力まではたらいて動く為替を予測することは困難だ。それなのに人は自己の推測を過信する。 また、ほんの直近数ヶ月の動きから「これ以上は下がらない」 と思い込んでしまう。仕組みを十分理解するだけでなく、人間の一般的な傾向としての心理的落とし穴を認識し、さらに資金投入の目的や運用の 方針をしっかり定めてから始めたい

「元手を失ってもよいから短期に小額資金を大きく増やすギャンブルをしたい」という人はレバレッジが大きいほうがよいのだろうが、 ライフプランにおける資産運用としては25倍でも大きすぎる。外貨による資産運用の1手法としてFXを利用する場合は、レバレッジを抑えて スワップポイントに期待する。FXのスワップポイントはそれを利息とみなして利回りに換算した場合、低レバレッジでも 外貨定期預金を上回るケースが多い

ただし、気を付けなければならないのはスワップポイントは利息ではなく、通貨間の金利差などコストを を反映させて業者が決めるもので、日々激しく変動している不安定なものだということだ(業者による差も大きい)。 今は円の低金利を背景に高いポイントが得られる取引でも、2通貨間の金利変動により低下したり、金利が逆転すればこちらが払わなければ ならなくなったりもする

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円高・超低金利のもと、余裕を持った低レバレッジで資金投入することは資産運用の選択肢となりうる。しかし、FXは付加価値を生み出す 投資ではないこと、様々なリスクを抱えていることを念頭において、業者と通貨を吟味の上、余裕資金を投入したい